皆さま、こんにちは。前回から間が空いてしまってすみません!2025年が明けたあと、ビットコイン関連は次から次へとニュースがあって慌ただしいですね。私は近くの海から見えるアメリカの山(Mt. Baker)を眺めて心を落ち着けています。
トランプ大統領の影響
米国ではトランプ氏が大統領に就任した1月20日(米国時間)にビットコインが最高値を更新。$109,000台をつけたあと、2月に入るとずるずると下がってチャート的には退屈な日々が続いています。例年2月はビットコインはわりと成績が良かったのですが、今年は違うようですね。
クリプト推しのトランプ政権からビットコインを国家準備金についての発表があるかと期待されましたが、この件に関しては特に何も言及がなかったことや、米国の利率据え置き、そしてトランプ大統領がイーロン・マスク氏を政府効率化省DOGEのリーダーにして大幅な歳出削減を目指しているため、お金をさらに大量にプリントする期待が薄れたことが、ビットコインにはネガティブな影響になっているようです。
けれども、全体を見たら、米国はビットコインに好意的なメンバーの集まる政権に切り替わっており、かなり追い風な状況なのは間違いありません。
Free Ross
1月21日には長く恩赦を期待されていたシルクロード創設者ロス・ウルブリヒトが11年間の独房生活からついに解放されたことが、大きなニュースとなりました。(写真:https://x.com/Free_Ross/status/1881925029497377104)
ダークウェブでビットコイン取引を可能にしたために、見せしめのように、2015年に2回の終身刑と40年の禁錮刑を課されていたウルブリヒト氏については、トランプ氏が大統領に就任したらDAY1(初日)に恩赦すると発言していたため、多くのビットコイナーが注視していました。就任当日ではありませんでしたが、すぐ翌日に約束を守ったトランプ氏はFree Rossを支持していた多くの人々から高く評価されました。
ようやく自由を手にした彼の表情を見て、長くビットコインを見ている私も涙が出そうでした。逮捕されてからずっと彼を支援してきたご家族の努力が報われて本当に良かったと思います。ビットコインの歴史の一つが終わりを告げ、新しい時代の幕開けのように映りました。シルクロード事件やビットコイン黎明期については「デジタルゴールド」を読むといろいろわかって面白いと思います。
ステーブルコインとライトニングの融合
昨年に130億ドル(2兆円以上に相当)の純利益を出したテザー社ですが、1月末にはLightning Labsとの提携によって、ライトニング上でステーブルコインUSDTの取引が可能になることを発表しました。今までETH, TON, SOLなどのチェーン上で取引されていたUSDTが、ライトニング上で直接取引可能になればビットコインとの融合が進むことが期待できます。
以下の動画インタビューの中で、サムソン氏は、USDTとライトニングおよびLiquidの組み合わせにどんな意義があるのか説明しています。特に金融インフラの整っていない国で銀行にアクセスできない人々にとって、USDTは非常に有効な金融ツールとなっており、彼らがUSDTからライトニングやビットコインにアクセスできるようにすることは重要だと言います。彼は、トップダウンだけではなく、ボトムアップあるいは草の根で広めるビットコインの大切さも訴えていて、好感度の高い内容でした。
Bybit ハッキング事件
さて、ビットコインの動きがさえない中、2月21日には大きな事件が起こりました。海外で人気の高い取引所Bybitから15億ドル相当のイーサリアム(ETH)が、北朝鮮のハッキング集団ラザルスによって盗まれ、クリプト史上最大の資金流出事件となりました。私自身はBybitは使ったことがありませんが、過去に取引所の問題で影響を受けたことがあるので状況が気になり、Xで様子を追っていました。(技術的な面はここでは省略させていただきます)
大規模なハッキングを受けた直後のBybitのCEOベン・チョウ氏の迅速な危機対応は、オープンかつタイムリーで、すぐにチームや業界関係者とともに最大限可能な対処をしていて、正直そのレベルの高さに驚きました。ハッキングに伴って、顧客からの出金要請にも即時に対応し、一時は遅延があったものの翌日には回復。結果として取引所からは55億ドル以上が引き出されたと報道されています。なお、Bybitは23日、失われた顧客の資産を補填する分のETHを確保したことを発表しています。一気に大量購入が行われたために一時的にETHの価格が上昇しました。
X(ツイッター)では、盗まれた大量のETHを無効にするためのロールバックを提唱する声も上がっていましたが、現実的にはすでに盗まれたETHが他のトークンやビットコインに換金されたりしていますし、ETH自体が大規模で複雑になっているので困難なようです。
北朝鮮は今までにも多くの暗号資産をハッキングで手に入れていますが、換金せずに長期間保有し続けていることがわかっています。将来この資産が軍事開発費用に使用されないことを願います。もはやハッキングは国家安全保障にも影響する問題です。
今年はETHのETFも登場したり、イーサリアムをまだサポートする声も上がっていましたが、このハッキング事件を受けて課題が浮き彫りになり、ETHへの投資を検討していた企業などが方針を変える可能性はあるかもしれません。機関投資家がETHの取り扱いをやめてビットコインに投資を集約していく将来を期待します。
では、今回はこの辺で終わりにします!3月も引き続きよろしくお願いします🙏
何かコメントやご希望があれば、どうぞ気軽にお知らせください。