💸GENIUS ACTはドル延命の“天才的金融ハック”🔥
ビットコインから知る世界(18)
みなさん、こんにちは!
今、日本では円建てのステーブルコイン JPYC が正式に認可されたと広く報道され、ネットでも話題になっています。
私はステーブルコインを次のように整理すると理解しやすいと思います。
円:中央銀行が発行するパブリックな通貨
ステーブルコイン:(将来的には銀行も含め)民間企業が発行するプライベートなデジタル通貨。発行体は発行額と同等以上の裏付け資産を確保する
米国では、ステーブルコインの位置づけを明確にするジーニアス法案、GENIUS ACT (Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act) が採択されました。既存の USDT や USDC に加え、今後は銀行や民間企業によるステーブルコイン発行がさらに進む見込みです。
ビットコインや暗号資産に詳しくない経済評論家や一般の人にとって、このGENIUS ACTがどのようなインパクトをもたらすのかは分かりにくいものです。ネット上の情報も錯綜しています。
そこで今回は、
ビットコインとステーブルコインの違い
GENIUS ACTが「天才的な金融ハック」である理由
日米ステーブルコインの違い
について整理します。
ビットコインとステーブルコインの違い
Lightspark社 CEO のデービッド・マーカス氏は、次のように述べています。
「すべてのステーブルコインは中央集権的に運営されており、利用されるブロックチェーンも十分には分散化されていません。ステーブルコインは、既存の金融システムを看板だけ掛け替えてネット上に持ち込むようなものです。本当にインターネットの性質を受け継ぐ金融ネットワークは、中立・非中央集権・検閲耐性を備え、自由であるべきです。それを可能にするのはビットコインしかありません。」
現在、米ドル建てのステーブルコインとしては テザー社のUSDT や サークル社のUSDC が主に流通しています。日本では JPYC株式会社 が金融庁の資金移動業ライセンスを取得し、今年秋以降に電子決済手段として JPYC を発行する予定と報道されています。
これらのステーブルコインは「法定通貨担保型」であり、米ドルや日本円などの法定通貨と 1 : 1 の交換価値 を持つように設計されています。
一方、国や企業に依存しない ビットコイン は、スマホさえあれば誰でも利用できるグローバルな分散型暗号資産です。米国でも日本でも、ビットコインをドルや円に換金したり、他の暗号資産に交換すると利益に対して課税されます。
ただし、ドルをUSDTやUSDCに交換する場合は「ドルをデジタルドルに替える」だけなので基本的に非課税です(サービス提供者によっては少額の手数料が発生する場合がありますが、暗号資産取引手数料と比べればほぼ無視できる水準です)。
なぜステーブルコインが役立つのか
米ドルのステーブルコインはこれまで、銀行と取引所間の送金に伴うトラブルを解決する手段として利用されてきました。銀行が取引所への送金を拒否したり資金を凍結したりするリスクを回避できるからです。
それが最近になって急に脚光を浴びているのは、別の理由があります。
米国や日本を含む先進国が悩まされているのが 国債利回りの急騰 です。こちらのXポストは、その問題を分かりやすく伝えています。
利率が上がれば国の利払い負担は膨らみ、同時に債券価格が下落し投資家が損失を抱えます。近年は、イスラエルのパレスチナ侵攻やウクライナ・ロシア戦争、さらにトランプ大統領が交渉カードに使う関税の影響により、かつてG7国債を購入してきた国々(特にBRICS加盟国)が金に資金をシフトし、G7債は敬遠されつつあります。
米国も日本もすでに財政は危機的状況で、米国の利払いは軍事費を超える水準に達しています。国債の利率が1%上がるだけで利払いが莫大に膨らむため、両国とも金利上昇には非常に神経をとがらせています。しかし、国を運営していくには、自転車操業を続けるしかない状況なのです。法定通貨の供給ペースを維持するために、国債を発行し続け、その買い手を増やさなければなりません。
GENIUS ACTは天才的な金融ハック
米国は、ステーブルコインを活用することで国債の買い手を増やし、世界中の利用者にリスクを分散させる仕組みを考えました。これにより、表向き目立つことなく量的緩和を継続でき、GDPを押し上げ続けることが可能になります。地政学的リスクも軽減できます。まさに「天才的な金融ハック」なのです。
もし米ドルがデフォルトすれば世界経済全体に甚大な影響が及びます。突然の崩壊を避け、ステーブルコインで延命措置を取りつつ新しい通貨システムへソフトランディングする方が合理的です。
USDTを発行するテザー社の創設者パオロ・アルドイノ氏は、最終的な出口にあるのはグローバルで誰にでもオープンなビットコインだけだと言います。彼にとっての新しい通貨システムはビットコインなのです。彼のインタビューをまだ見ていない方は、英語に抵抗がなければ、ぜひ視聴をおすすめします。
日本円ステーブルコインJPYC
日本円のステーブルコインは米ドルと比べると規模は限定的で、日本国内利用が中心になるでしょう。米ドルは世界基軸通貨であり貿易における取引だけでなく発展途上国の人々にも大きな需要があります。しかし、米ドルに対して価値が下がっている日本円の国外需要はあまり期待できません。
一方で、少し前に日本で国民に国債を買わせる動きが進むのではないかと噂がありましたが、ステーブルコインを導入すれば、発行企業がデジタル円の担保として国債を購入します。結果的に国債需要が底支えされる効果が期待できます。
JPYC利用のメリット:
JPYC ⇔ USDC ⇔ Bitcoin といったシームレスな取引が可能になり、マーケット全体が活性化する
将来的に米国同様、株式や不動産投資などへの利用拡大が見込まれる
海外送金で為替スプレッドや手数料がほぼ不要になり、24/7 即時送受金が可能
ただし、注意点としては、デジタルマネーゆえにオンラインでの詐欺や盗難リスク が高いこと、そして発行体が破綻した場合の信用リスクがあります。読者の中には、2022年に起きた LUNA、無担保型の TerraUSD の崩壊を覚えている方もいらっしゃると思います。法定通貨担保型のJPYCはそれほど心配ないと思いますが、発行企業だけでなく国や中央銀行も信用リスクになります。
経済への影響は?
日本は残念ながら、日本国債だけでなく、今ステーブルコインが負担する7.6倍以上の米国債を保有している現実があります。国は米国債の利息を収入として受け取りますが、国民はインフレと日本債の利息返済が負担になってきます。
ステーブルコインが壊れかけた通貨システムの延命措置として、量的緩和のツールとして利用され続ければ、さらなるインフレや格差拡大につながる可能性があります。
レイ・ダリオ氏が予測するように、2030年頃には世界的な問題が一層深刻化し、戦争リスクすら高まるかもしれません。その前に個人として備えられるのは、ビットコイン、ゴールド、土地(食料確保のため)、そして移住の手段 でしょう。
将来に備えてビットコインを保有する人は、取引所に置いたままにせず、早めに自己管理(セルフカストディ)へ移行することをおすすめします。
先に紹介したマーカス氏もアルドイノ氏が指摘するように、既存の通貨システムの次に来るのは ビットコイン です。ステーブルコインはあくまで橋渡しであり、本質的な備えはビットコインにあると考えるのが正解ではないでしょうか。
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